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鍼灸指圧医学

自分の体にあわせた上手な健康管理法を!

 

●「鍼灸」ってなに?

現代医学の療法には、「電気、水、光、熱など自然の物理的な物性を用いて治療を施す物理理学療法」、「薬のように化学的な物性を用いて治療を施す化学療法」などがあります。鍼灸は、これらの療法の内の物理療法の一つです。

鍼灸の歴史は古く、中国の古代医学書「黄帝内経」(紀元前202~後8・前漢時代)の中で医術の一つとして記述されており、日本へ伝えられたのは六世紀ごろだといわれています。 鍼灸は、漢方薬などと同様に、大自然の法則と多くの人々が積み上げてきた経験の伝承による療法だといえます。

 

●病気は何故おこる?

病気は、身体が病気に対して持つ自己防衛の力(防衛力)と、身体に入って病気を起こそうとする細菌やウイルスの力との差によって起こります。ですから、防衛力が活発な時には病気にはなりません。しかし、様々な要因で防衛力が弱まっている時には病気になってしまいます。

現代医学は、病気の原因を化学的に究明し、治療する原因療法や対症療法によって、病気を改善していきます。

それに対して、鍼灸などの物理療法では、身体が持っている自己の治癒力を活性化させて病気を改善していきます。西洋医学と、鍼灸など漢方医学の治療方法は施術の違いだけではなく、対象も違います。 鍼灸は、それ自体で病気を治癒しようとするのではなく、身体の活性化を図り、身体自身で病気を治癒する自然治癒力を増す療法ですから、副作用の心配はありません。

西洋医学と漢方医学を効果的に併用することで、病気を効率良く治療できることがお解り頂けると思います。

 

●自然哲学に源づく技量

たとえば、柔道では優れた技を持っていると、たとえ体が小さくても、自分の倍はあろうかという大きい人を投げ飛ばすことも可能です。それと同じ事が、鍼灸のような経験施術にも当てはまり、思いがけない素晴らしい効果を引き出すことがあります。

柔道は、相手の力を巧みに利用して技を決めます。 鍼灸も柔道のように、身体の自然の力を利用した療法です。そこに経験と高い技術を必要とする療法としての特徴があります。

 

●いまなぜ鍼灸など物理療法が注目されるのか

暑さ、寒さなど、自然環境の変化が私達の身体を鍛えてくれます。しかし今日では、どこにでもエアコンが備えられていて、一年中、快適な環境で過ごせるようになっています。環境が快適であればあるほど、身体自身で自己を調節する必要性がなくなり、変化に対する適応能力が徐々に低下します。それは身体にとっては必ずしも好ましいことではありません。

そこで、自然環境によって鍛えられるチャンスの少なくなった分だけ、何かの健康法で補う必要性が出てくるわけです。

 

●運動は鍛練療法・鍼灸は調整療法

運動は、身体を鍛えてくれる鍛練療法といえます。20代までは、運動を主として、身体の防衛力を鍛えておく必要があります。しかし、30代以降では、身体の老化が始まり身体の調子を崩しやすくなりますので、身体の状態を整える療法が必要です。

鍼灸は、身体の調子を整える調整療法です。 現代人は、若い人でも体調を崩しやすい人が多くみられます。若い人は運動による鍛練を主に、疲れが抜けない時などに必要に応じて調整療法を受け、中高年者は、調整療法を主とし運動を適度に取入れるのが上手な健康管理法だといえます。

 

●自分の健康管理法は、専門家のアドバイスを受けながら

健康を保持、増進させるのは、日頃、自分で自主的に行うのが最も大切なことです。

しかし自己流ばかりでも逆効果の場合がありますから、時と場合に応じて専門家に相談し、上手に健康管理のプログラムを組む必要があります。

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